教育というのは難しい物だ・・・・


キュピル
「久々に登場。主人公張って剣掲げて戦い続けていたのが昔の俺なんだよな。
今の俺は行方不明でそのまま消えてしまっているから困る。」

ルイ
「久々に純粋な私で登場です!!
いつも皆さんをサポートするキャラクターとして成り立っていたのが昔の私です!
今の私は皆さんの敵として出ているから困ります!!」


ジェスター
「久々に私の登場ー!!皆のアイドルジェスタ(ry」


〜〜〜永遠に始まらなくなるので省略〜〜〜



ジェスター
「ひどーい!!」

ファン
「皆さん未来の話をしている事になりませんか?」
←ラストシーズンでもバリバリ現役





〜〜遠い遠い、どこかの世界。

それとも時間軸が大きくずれた未来の地球、それとも過去の地球か。

とある大陸の港町にある一軒の家は今日も騒がしい。




キュー
「にひひひ!お父さん、どうどう?この始まり、かっこいいだろー?」
キュピル
「中々かっこいいな。キューは作家としての資質があるかもしれないぞ。」
キュー
「それはないなー。」
キュピル
「・・・・・・・。」


ルイ
「はぁ・・・やっと掃除が終わりました・・・。」
ファン
「お疲れ様です。随分と長かったですね。」
ルイ
「気合入れて掃除するために態々昔のメイド服に着替えてやりましたから。きっと埃一つありませんよ!」
ファン
「それは凄いですね。・・・ところで、机の上に乗っかっている小物は何ですか?」
ルイ
「これですか?ふっふっふ、自分の部屋を掃除したら秘蔵のオカルトグッズを見つけてしまったのですよ!
これを持っているだけで霊感が上がる素敵なアイテムです!!」
ファン
「貴重なアイテムが何故部屋の隅から出てくるのですか。」

ルイ
「そ、その・・・なんというか・・・。」
ジェスター
「掃除終わったー?」

ジェスターがドアから顔を出して覗き見る。

ファン
「終わったみたいですよ。」
ジェスター
「わーい、遊ぶ!ふーん、ふんふんふーん♪
・・・・わっ!」

ジェスターがルイの出していた掃除機のコードに足を引っ掛け派手に転ぶ。そして机のシーツを引っ張り
机の上に乗っかっていた小物が一斉に滑り落ち派手に音を立てて割れて行った。

ルイ
「あぁ・・・・・。」
ファン
「ル、ルイさん、お気を確かに!」

ルイがふらっとその場に倒れる。
キュピルとキューが今の音に反応してキュピルの部屋から出てきた。

キュピル
「どうした!?・・・って・・・うわ、これは酷い有様だ・・・。」

床には大量のガラスの破片が散らばっており、謎の液体が飛散している。

ジェスター
「わーーん!!わーーーーーん!!痛いよーーー!!」
ファン
「キュピルさん。ルイさんがショックのあまりに息していません!」
キュピル
「そんなにショックな事が起きたのか。

ルイ!目を覚ませ!」
ルイ
「あ・・・・。」

声をかけられ、ハッと目を覚ますルイ。

キュー
「おーおー、このガラスの破片。武器になりそうだなー。とぉっー!」

キューがガラスの破片を投げる。ガラスの破片が棚にぶつかり、更に粉々になって割れた。
その光景を見たルイがまたガクッと首を降ろし意識を失う。

キュピル
「キュー!物を投げるな!危険だ!」
キュー
「おーおー、娘に剣を持たせてる癖によく言うぜー。」
キュピル
「そ、そりゃそうだが・・・。」

反撃の言葉を失う。

ジェスター
「わああああーーーーーーん!!!!」
キュー
「お、そういえばジェスターはどうして泣いているんだー?てりゃぁ〜!」

泣いているジェスターにキューが飛びつく。本人はじゃれついたつもりだがジェスターにとって癪に障ったらしく
キューを突き飛ばす。突き飛ばされたキューが机の角に後頭部をぶつけ痛みの所為か悲しさのせいか
キューもジェスターと一緒に泣きだしてしまった。

ルイ
「うぅぅ・・・。」
ファン
「あぁ、ルイさん・・・。意識戻りましたか?」
ルイ
「一体何が・・・?」

粉々に壊れた小物が再びルイの視界に入る。そしてまた意識を失った。





キュピル
「誰かこの状況なんとかしてくれ!!」










==夜


キュー
「掃除機に引っかかったジェスターが悪い!!」
ジェスター
「あんな所に小物と掃除機を置いたルイの方が悪いもん!!」
ルイ
「そ、そんな!お言葉ですけど常識外れな行動を取ったキューさんだって悪いですよ!!」
キュー
「おーおー、言ってくれるぜ。」

キュピル
「何と言う三すくみ状態。これは間違いなく泥沼化する。」
ファン
「早く泥沼化する前に早く事態を収拾してください。」
キュピル
「我が家の女性陣は皆トラブルメーカー・・・。確かにこのまま放置しても泥沼化するからな。早い所何とかしよう。
・・・・ルイ。」
ルイ
「はい?」

キュピルが手信号で合図を送る。

「事態を泥沼化させたくないから、いったんルイが悪かったことにして終わらせていいか?埋め合わせするから」

するとルイが懸命に首を横に振り始めた。
キュピルがガクッと項垂れる。

「頼む。」

ルイが目を瞑って首を横に振る。その意味は

「絶対に嫌です。」

キュピル
「(はぁ・・・。ルイは大人だから協力してくれると思ったけどダメだったか・・・)」
ルイ
「キュピルさん!キュピルさんなら誰が一番の原因か分りますよね!!」
キュピル
「え?」
ジェスター
「うんうん。だってキュピルだもん。」
キュピル
「はい?」

キュー
「じゃー、誰が一番悪いのか・・お父さん、言ってくれー。」
キュピル
「げぇっ。」


ファン
「(キュピルさん、返答次第では泥沼化確定ですよ・・・・)」

キュピル
「その、なんだ。事態を1から全て見てみよう。ここで仮にルイが机の上に小物が置いてなかったとしよう。」
ルイ
「はい。」
キュピル
「そこでジェスターが現れて掃除機に躓く。だが小物は乗っかっていないのでルイにダメージはない。」
ジェスター
「でも掃除機がなければ私は引っかからなかったよ!!」
キュピル
「逆に掃除機が出ててジェスターが掃除機に躓かなかったとしたらどうなっていただろうか。
すると、その後のキューの悪戯はなかった。」
キュー
「そうだそうだー!」
ジェスター
「あー!!私が一番悪いって言いたいの!?」
キュピル
「待て、まだ話しは終わっていない。今度はジェスターが掃除機に躓いて泣いてしまった時。
キューが良識ある行動を取っていればルイにもジェスターにもダメージは入らず、更に自分にもダメージは
入らなった。」
キュー
「おーおー、アタシが一番悪いって言いたいのかー?」
キュピル
「二人とも結論を急ぐな。

ここで色んなパターンを想定してみよう。
ルイが掃除機を片付けていたら、その後に起きる出来事は全て起きなかった。
逆に掃除機は出ていたが小物が片付けてあった場合。ルイだけダメージなしだった。
両方とも出ていて、ジェスターが掃除機に躓かなかった場合、一切のトラブルは発生しなかった。
そしてジェスターが掃除機に躓いてキューが良識ある行動を取った場合。この場合はキューからは
誰にもダメージを与えず、逆に良識の内行動を取った場合は全員にダメージが入るだけ。
ウェイトを考えるとルイとジェスターが起こした出来事は大分重い。」
ジェスター
「えぇぇー!!」
キュー
「流石お父さん!これでアタシは無罪が証明されたぜ。」

キューが自室に帰ろうとするがキュピルが慌ててとっ捕まえる。

キュピル
「無罪じゃない。」

キュー
「おーおー、何だよー!やっぱり有罪なのかよー!」
キュピル
「確かに、さっきウェイトを考えるとルイとジェスターが起こした出来事は重いと言った。でもよくよく考えてみてくれ。
ルイがもし掃除機を先に片付けていたら事は起きなかった。
ジェスターがもし掃除機に躓かなかったら事は起きなかった。
そしてキューが物を投げたりジェスターをからかったりしなければ全員にダメージが入る事は起きなかった。
全員それぞれ回避、ダメージ緩和する方法があったのにそれを取れなかった。つまり俺が言いたいのは

全員悪い。」




ファン
「(確かに正論です。正論ですが・・・)」





ルイ
「そんな結論納得行きません!!!」
ジェスター
「私は絶対悪くなーーーい!!」
キュー
「アタシだってそうだーー!!」

全員キュピルに向かって拳を振り上げボコボコにし始める。


キュピル
「うわー、貴様等何をするー!(棒読み」



その一言が余計に仇となり、本当にボコボコにされたキュピルであった。











キュピル
「で、結局俺はどうすればバッドエンドを回避できたんだ?」


今更考えても後の祭りではあるが、ファンに聞くキュピル。

ファン
「事の出来事だけではなく三人それぞれの性格も少し詳しく分析してみましょうか。」

ファンが紙と鉛筆を持って書き始める。

ファン
「まずはルイさんから。ルイさんは三人の中でも一番キュピルさんの事を慕っています。
なので多少なりの無茶は効いたかもしれませんが・・・・。」
キュピル
「あのお願いは行きすぎていたのか?」
ファン
「流石にルイさんがそこまで子供だとは思っていませんでした。本人は意外と負けず嫌いなのかもしれませんね。」
キュピル
「そうだよなぁ・・・。初めの方から少し子供っぽいなぁっとは思っていたが
最近キューよりちょっとだけ大人っていう感じのイメージが・・・・ん・・・何だこの嫌な殺気は・・・。」
ファン
「ヒ、ヒェェェェェ!!キュピルさん、後ろです!!」
キュピル
「ハッ・・・。」
ルイ
「今、凄くイラついています。私のためにキュピルさん、もう一度ボコボコに・・・」

キュピル
「むしろ俺のためにそこは我慢してくれ!!」

ルイ
「はぁ・・・。」

ルイが溜息をついてキュピルの隣の席に座る。

ルイ
「確かに私も少し子供っぽい行動を取ってしまったかなっとは思いますけれど・・・。
ちょっと引くに引けない状況でしたので・・・。」
キュピル
「いや、引けただろう。」

ルイ
「でも、キュピルさんには感謝していますよ!」
キュピル
「どうして。」
ルイ
「もし、そこでアタシがキュピルさんのお願いを呑み込んでいましたらキューさんとジェスターさんから以後、
長い間悪者扱いされていましたよ。でもキュピルさんが最後微妙な締め方してくれたお陰で
結局、有耶無耶(うやむや)のまま終わりに出来ましたから。」
ファン
「それもまた一つの結果ですね。」
キュピル
「うーむ・・・。本当にそう思っていたのならあの時ボコボコにしなくたって(ry」
ルイ
「えっと・・その・・。あの時は冷静に物事考えられなかったので・・・。」
キュピル
「・・・・・・・。」
ファン
「話しの続きをしましょう。三人の性格を引き続き分析しますよ。
キューさんは一応キュピルさんの娘っと言う事もあってある程度はキュピルさんの事慕ってはいます。」
キュピル
「いまだに自分に娘がいるっていうのは信じられない話しだが・・・。
キューからすれば確かに俺は『父』って事になるからある程度は慕ってくれてる。
だけどキューは割と自我が強い。自分がそうじゃないと思った物は俺が言っても中々言う事を聞いてくれない。」
ルイ
「キュピルさんの血を引いていますね。自分がそうだと思った物は最後まで突き進む所がそっくりです。」
キュピル
「うーん、間違っている所はしっかり直すつもりなんだが・・・。」
ファン
「キューさんが『それ』だと思った道を曲げるのは少し難しい性格していますね。次にジェスターさんです。
分析するまでもないと思いますが、我が家の一番のトラブルメーカー、気分屋です。」
ルイ
「頭の中で考えずにすぐ実行に移すタイプですよね。良くも悪くもですけど・・・・。」
キュピル
「すぐ実行に移すが、面倒だと思ったらすぐやめる。」
ファン
「以上の分析を踏まえて、どうすればキュピルさんがバッドエンドに入らずに済んだか考えましょう。」
ルイ
「逆にキュピルさんにとってのハッピーエンドって何ですか?」
キュピル
「・・・泥沼化する前に事態が収拾して円満に解決する事かな。」
ファン
「円満に解決するには、自分の過ちを認めてそれを素直に謝らせる事が出来ないと難しいですね。」
キュピル
「ルイは大人だ。ルイは大人だからきっとすぐに自分の過ちを認めて謝ってくれる。」
ルイ
「きっぱり言います!謝りません!!」

キュピル
「もう後の祭りとはいえ、これは酷い」

ルイ
「だってキュピルさん・・・。私ただ掃除機を出していただけなんですよ・・・。掃除するために出した訳で決して
放置していた訳じゃないのですから・・・・。」
キュピル
「・・・確かに一理ある・・・。」
ファン
「ジェスターさんを謝らせるのも難しいです。それにちょっと考えればジェスターさんはきっと『事故だー!』って
騒ぎますよ。」
キュピル
「確かにわざとじゃないから事故って言い張りそうだ。だが、転びかけたからシーツを掴めば体勢が
整える訳じゃあるまい・・・。・・・まぁ、とっさにやってしまった事なのかもしれないけど。」
ルイ
「一番最初に謝らせる事が出来そうなのはキューさんですね。キューさんが取った行動は『故意』にやったことなので」
キュピル
「だが、さっき分析した通りキューは自分が取った行動は中々曲げようとはしない。」
ルイ
「でも間違った事は間違っているとちゃんと言いませんと教育になりませんよ。」
キュピル
「・・・確かにそうだ。」
ファン
「ジェスターさんにも『前をしっかりよく見て歩きましょう』っと教育するのもどうでしょうか。」
キュピル
「そうだな。」
ルイ
「これで一件落着ですね!」
キュピル
「してない。」

ルイ
「え、何でですか?」
キュピル
「今の結論はあくまでもこれからどうするかって話でそもそも最初の目的である
『どうすれば円満に解決出来たか?』っていう目的から根本的にずれている。」
ルイ
「あ、本当ですね・・・。ごめんなさい。
・・・でも、ここでいくら考えても過ぎた事ですし仮に結論が出たとしてもそれがハッピーエンドになるとは
限らないのでは・・・。」
キュピル
「うーん、確かにそうなんだが我が家ではこういう出来事が頻繁に起きるからね。少しだけ対策したい気持ちがある。
一体俺はどんな行動を取れば円満に解決出来たのか・・・・。
ルイが悪かった事にしようとしたら拒否されてしまった。仮に出来たとしても暫くの間、ルイはキューとジェスターから
からかわれる存在になってしまう。ジェスター、またはキューが悪かった事にしたとしても悪者にならなかった
どちらかの方が悪者になった方をからかったりするだろう・・・。そもそも性格に根本的な問題があるな・・・。
かといって、全員悪かったっていう結末にすれば俺が一方的にボコボコにされた・・・。
・・・これもう何やってもダメだったんじゃないのか?」
ルイ
「・・・む、難しいですね。これは。」
ファン
「・・・円満に解決する方法。中々出てきませんね。」

「いや、円満に解決しているだろう。」

その時、クエストショップに通じる扉から誰かが入って来た。ディバンだ。

キュピル
「お、ディバン。こんな夜遅くにお疲れ様。トレジャーハントから戻って来たのか?」
ディバン
「ああ。結果は残念だが外れだ。」
キュピル
「そりゃ残念だったな。・・・それで『円満に解決しているだろう』って一体?」
ディバン
「報告しようとずっと聞き耳立ててタイミングを伺っていたんだが、つい口を挟みたくなってな。
キュピル、お前の取った行動は泥沼化させずきちんと円満に解決しただろう。
ルイ、キュー、ジェスター達の間を悪くする事なくお前がちょっと痛い思いしただけで泥沼化せずにすんだ。
この程度のレベルならルイはともかくキューとジェスターなら明日にはすぐ忘れるぞ。
それにルイがお前のお陰で有耶無耶にして終わらせる事が出来たと感謝まで言ってきた。
これはお前の考えるハッピーエンドなんじゃないのか?『泥沼化する前に事態を収拾して円満に解決する』」
キュピル
「・・・確かにそういう考え方してみるとちゃんとハッピーエンドになっているな。今日もまた
ちょっと騒がしい出来事があっただけ。・・・流石だな、ディバン。」
ファン
「本当の大人の姿ですね。」
ルイ
「・・・ファンさん、今私の事一瞬みませんでしたか?」
ファン
「いえ。」

ディバン
「それより再発を防いだらどうだ。ルイは大切な物はジェスターの手に届かない所に置く。
ジェスターには落ちついて行動するように教える、キューには常識を教えるとかな。」
キュピル
「そうだな。よし、明日さっそく躾けよう。」
ルイ
「これで本当に一件落着ですね。」
ディバン
「・・・だといいんだがな。」
ルイ
「?」







==翌日







ジェスター
「だって、暇なんだもーーーん!!」
キュー
「常識に縛られた大人には子供の遊びは分らないぜ。」
キュピル
「し、しかしだな。ジェスターはせめて家の中ではな・・・・。キューは最低限の常識を・・・。」
ジェスター
「じゃーブルーコーラルに遊びに行こう〜〜〜!!」
キュー
「そういや、お父さんも常識がなかった気がするぜ?そこの所どうなんだよ〜。」

キューがキュピルを軽く押す。
ジェスターも真似してキュピルを強く押す。調子に乗ってキューがまたキュピルを強く押し
ジェスターはキュピルにタックルした。

キュピル
「怒った、まとめて道場来い!!」




キュー
「決闘だ決闘だー!!!お父さん何かに負けないぞー!」
ジェスター
「私が怒ると殺しちゃうぞー!!(超物騒



ルイ
「あぁ、大変です!何だか本当に誰か死んでしまいそうなオーラが(ry」
ディバン
「だから言っただろ。任せろ。」



ディバン
「おい、ちびっ子。」
キュー
「おーおー、何だ何だ!」
ジェスター
「チビじゃないもん!」
ディバン
「お前等、悪い事したと思ったらちゃんと謝らないとダメな方へ成長していくぞ。」
キュー
「ディバンには関係ないじゃんかよー!」
ジェスター
「そうだそうだ〜!」

ディバンが二人に拳骨をお見舞いする。それを見てキュピルが驚く。(驚いただけ

キュー
「痛っ!・・・手出すのはよくないぞーー!!」
ジェスター
「怒るよ!!」
ディバン
「手だすのはよくないのか。なら、キュー。お前、さっきキュピルにタックルして手出したな。よくないことしたな?」
ジェスター
「私は何もしてないよ!」
ディバン
「キューと一緒にしただろ。お前はキュピルにストレスを与えすぎている。もう少しキュピルの事労わってやれ。」
ジェスター
「子供の面倒をみるのが大人の役目〜♪」
ディバン
「子供を躾けるのが大人の役目だ。」

綺麗にディバンがジェスターとキューのあげ足を取って行く。
その後、屈んでキューとジェスターにしか聞こえないように小さな声で喋った。

ディバン
「キュピルはお前等に手を出せなかったのを見て確証した。キュピルはお前等の事を思っているが
半ば諦めかけている。このままじゃ見放されるかもな。」
キュー
「え!!」
ジェスター
「えー!!」

キュピル
「・・・???」

ディバン
「親が子に躾けを放棄した時。それは親は子を捨てたも同然だ。今、お前等は捨てられそうになっているぞ。
それでもいいのか?」
キュー
「やだ!!」
ジェスター
「嫌!!」

キュピル
「・・・・???」
ルイ
「・・・・??」
ファン
「・・・・?」


ディバン
「だったらちゃんとキュピルの言う事を聞け。あいつは間違った事は絶対に教えない。
怒鳴られたり無理やり正座させられて説教されたとしても、それが教育だ。教育しているということは
お前等の事が大好きな証拠だ。ちゃんと言う事聞いてキュピルを楽させてやれ。いいな?」
ジェスター
「本当にー?でも今度から言う事聞くようにする!」
キュー
「アタシもお父さんの事大好きだから捨てられないようにしっかり言う事聞くぜ。」
キュピル
「はい?捨てられる?」

ディバン
「これで本当に一件落着だ。」

ジェスター
「捨てないでね、キュピル〜。」
キュー
「父の役目は子を最後まで見守る事なんだぜー。」

ジェスターとキューがキュピルの周りをグルグル回り始めた。
一体ディバンは何を言ったのか・・・。

それ以降、キュピルが叱るとある程度言う事は聞いてくれるようになった。
が、何度も同じ事を繰り返し効果が出ていない事に今度は頭を悩ますキュピルであった。




終わり



補足

子供の教育とは一体本当に何なのか。
言っても言う事聞かんし、全く同じ事を何度も繰り返す。
昭和の頃は体罰で厳しく叱っていたが今だとそれは虐待として世間から批難される。

犬とかでちょっと考えてみよう。犬に体罰を加えて厳しく躾けしている所とそうでない犬。
犬の賢さが段違いである。そもそも何故犬に体罰を加えて躾けするのか?
それは言葉で言っても通じないからである。
なら人間だって何度口で言ったって言う事聞かないなら体罰を加えて躾けしなければならない。

でもそれが問題になってしまうということを理解している子供は巧みに親の言う事にあげ足を取って逃げる。
甘やかされ続け苦労を知らない子供は将来、確実に痛い目に合う。

でも教育の場が今大きく歪んでしまっているのも事実。

もはや今、子供が正しく立派に成長するかどうか神頼みの領域に入ってきていると私は思う。


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